「コレスポンド フルブローグ(スワンネック)」 六義 designed and directioned by R.Hanakawa crafted by T. Okubo コレスポンド(コンビ)シューズというのは、数ある男の靴のなかでも、最も ダンデイズムを匂わせる 「一足」 といえるのではないか。 変っていて、目をひくけれども、これは、黒のオックスフォードと同様に まごうことなき、男のクラッシック シューズだ。由緒正しき 靴なのだ。 この靴を、ひと目 見ただけで、30年代の優雅なリゾート地、例えば ドーウ”イルの競馬場とか、白いホワイトフランネルのスーツとか、モンテクリステイ製のパナマ帽とか、、そんな贅沢なシーンが思い浮かぶ。 そういう靴は、他にはないでしょう。 名だたるダンデイ達が この靴を愛用した。フレッド・アステア、ダグラス フェアバンクス JR、スコット・フィッツジェラルド、、、、これだけでも、その由緒正しさは窺い知れる。 ダンデイ達の靴コレクションには、必ず、用意されいた贅沢な靴。 或いは、贅沢な生活を象徴する靴。 それなのに、いまや、この靴を見かけないのには、それなりの理由がある、、、、 「白い 宝石?」 この靴で重要なのは、カーフとのコンビにつかわれるホワイト デイアスキン(白い鹿皮)で、 これは、あくまで純白の、それも ビロードのように滑らかな上等なモノでなくてはならない。それ以外は、残念ながら、本物とはいえない。 ところが、このホワイトデイアスキンというのが、ヤッカイで、いまや入手困難を極めるものなのだ。 無イ といわれれば、欲しくなるのが男で、 ダンデイで知られる俳優のテレンス・スタンプは、最上等のホワイトデイアスキンを手にいれるのに、数年間を費やしたという。それも、80年代のことだ。 何年待っても、思うものが手に入ればイイガ、事情は、年々、悪化している。 多分、ロンドンの老舗といわれる靴屋、イヤ 世界中の注文靴屋においても いまや、コレを常備しているところは珍しいのではないか。注文しても、この純白の鹿皮のおかげで断られるケースが多い。或いは、オフホワイトあたりでごまかすことになる。 いまや、それほど貴重なモノになってしまった。 鹿皮そのものが、品薄になってきたこともあるが(とくに良質なものは)、とくに、ホワイト(白い)が手にはいりにくいのは、 それが、本来の鹿皮の色だということがある。(鹿皮というのは白いのダ) 、、、白く染められるわけではない。つまり、ホワイトデイアスキンは、鹿皮そのものが良質で、傷がないもの、汚れがないものでなければならない。他の色と違って、染め加工でごまかせず、その白さゆえ、汚れやすく、扱いにくい。鹿皮は、本来 耐久性に優れたものだが、柔らかいので、作り方にも多少のコツがいる。靴屋にとっては、ヤッカイな代物というわけだ。 加えて、世界的なドレスダウン化と、男の贅沢な生活スタイルというのが、変ってしまった。あれほど、ダンデイ達がこぞって愛した靴は、頼む人も少なくなった。悲しいコトダ。 その結果、いまや この靴の あるべき正しいスタイル - パターン、デザイン -を知る靴職人も少なくなった。(これは 残念ながら 男の服を知りつくしているテーラーが 少なくなったのと同様だ)、、、これまでも、需要と供給のバランスで、 男に必要だった多くのエレガントなものを、私たちは失くしてしまった。、、、 これは、本来 ボート競技から生まれた 「スポーツ」シューズなので、単に、普通のフルブローグをコンビに置き換えれば良いというものではない。 本物のコレスポンドをつくるには、おおげさにいえば、男っぽい優雅さを理解する美意識が必要だと思う。同様に、これを 履く男にも 、、、、 「クラッシックである という 優雅さ」 今回は、いまや面倒で、あまりやる人もいなくなった クラッシックなパターンとラストを採用してみた。 ウイングの形、スワンネック、スワンネックの頂点からつながる履き口のバンド、パーフォレーションは、あえて最も正統的でクラッシックなものを、、、 そして、ラストは、かなりアナトミーな、立体的で、複雑な曲線を描く男っぽい クラッシックラスト、、、 一番気を使ったのは、それぞれのバランスと分量だ。優雅で、かつ、あくまで男っぽく仕上げること、つまり、男の服に、素直になじむことだ。(良いスーツと いっしょで 優れたモノは いかに複雑で、凝った仕事をしていても 目に素直に映るものなのです。 実は、これが、一番難しく、 技術と、一歩上の健全な美意識を必要とする。) この靴には、 エレガントなリゾートスタイルが、よく似合う。 トープ色のギャバジンで仕立てたクラッシックな ダブルブレスッテッドスーツ、 或いは、シンプルに、サージの紺のブレザーに ホワイトトラウザーズ、、、、、これほど、男の洒落心を刺激してくれる靴もめずらしい。 anytime, you would like to,,,,,,(要予約) 六義 銀座 東京都中央区銀座一丁目21番9号 箱健ビル1階 電話 03-3563-7556 copyright 2005 Ryuichi Hanakawa
by rikughi
| 2005-04-17 00:21
| 1. コレスポンデントシューズ
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カテゴリ
INDEX プロローグ 「ダンデイというスタイル」 1. スタイル ボニ・カステラーネ侯爵 1. ボニ・カステラーネ侯爵 2. ボニ・カステラーネ侯爵 3. ボニ・カステラーネ侯爵 4. 「私のワードローブから」 1.ソックスをめぐるダンデイズム 2.美しいシャツ その壱 3.美しいシャツ その弐 4.タウンスーツ 「百歳堂 散策日誌」 ウイーンの仕立て屋 モンマルトルの恋人 京都のお化け ニューヨークのダンデイ 「六義 コレクション帖」 1. コレスポンデントシューズ 2. 「フィッテイング」 3. 「プレイドスーツ」 「男の躾け方」 1 「洗濯」 2 「睡眠」 3 「磨く」 4 「捨てる」 5 「友人」 「大人の お伽噺」 1.本物の金持ち 2.スノッブ 3.プレイボーイ その1 4.プレイボーイ その2 「百歳堂 交遊録」 「日々の愉しみ」 1.シャツとネクタイ 2.旅支度 3. My Favorite Shop 私家版・サルトリアル ダンデイ 1.19世紀と20世紀 その壱 2.19世紀と20世紀 その弐 3.19世紀と20世紀 その参 4.荷風と鏡花 「江戸趣味」 ■ 愛人 「愛人」 Ⅰ 「愛人」 Ⅱ 「愛人」 Ⅲ 「愛人」 Ⅳ 「愛人」 Ⅴ フォロー中のブログ
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クラシックな「紳士用品店」をはじめました、 「Classichaberdasher 六義 」 www.rikughi.co.jp (*ほぼ毎日更新、初めて訪れる方は会員登録が必要です) このブログは、4つのブログと関連して存在しています、 「六義庵百歳堂」 最初に書き出したもので、サブタイトルの「人生が二度あれば」というのは、二度とないので、いまの自分を愉しみましょうという反語のつもりでした、なんとか半世紀を越えて生きてきて今一度「人生は愉しい」ということを再認識するために書き出したものです、年々、呆けていきますから。 極めて、マイペースで書いています。 「百歳堂毘日乗」 文章の完成度や、テーマの整合性を考えずに、思いついたことを綴るものが欲しくて始めたものです、ある意味、アバンギャルドにしたいと願っています 「テーラー六義」 六義のテーラリングについての拘りです、少し拘りがあります 「Bespoke Shoes 六義」(NEW) 六義のビスポークシューズについての拘りです、先鋭的なクラッシックを目指しています それぞれのブログへの移動は、「リンク」をご利用下さい、 では、貴方が少しでも愉しまれることを願って、少しづつ筆を進めます、 百歳堂 敬白 その他のジャンル
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