「エスプリ」と「ユーモア」その2-ボニ・カステラーネ侯爵 4




d0004856_1233060.jpgボニは、フランス貴族には珍しく、たくましいユーモアのセンスの持ち主だったと思う。 それは、彼の後半生をみるとわかる。


ボニが39歳のとき、「第二の転機」が訪れる。 ー「離婚」である。

使い切れないはずの巨額の資産は、ケタはずれの浪費のおかげで、ほとんど食いつぶされていた。父君の助言もあったのだろうけれど、アンは、ボニに三行半を、突きつけた、
一夜にして、ボニは一文なしになった。後に残ったのは、借金と3人の息子たち。

実は、私が、ボニを敬愛するのは、ここからの、この人の生き方にある

ボニは、 はじめて、 自分で稼ぐということを学ばなければならなかった。

、、、、こうした場合、大概、結末は悲惨なものと決まっている。
社交界の「王」と呼ばれた男、 ひと夜のパーテイで、いまの金額にして 数億を使い切った男、、、 よく出来たとしても、友人からの借金に次ぐ、借金。末は ダヌンツイオのように 債権者に追い回される毎日。


しかし、ボニは 生き抜いた。


もとより、才知に長け、クリエイテイブ力のあった人だ。 ジャーナリストとして、本を著し、趣味の良い アンテイークデイーラーとして評判を呼ぶ。 そうした 新生活に 自分をなじませようと努力もする。

そして、数年で借金を返し終わり、 パリのアパートを人に貸すまでにいたる。

敬愛すべきは、その間も、いままでと 微塵も変らない 楽観的で エレガントな もの腰とユーモアのセンスを保ち続けたということだ。


ワイルドや ボードレールのように 内面に突き刺さっていくような ダンデイズムではなく、ボニの それは、健全で ある意味、骨太で 男子の一生としては  これを、本当のダンデイズム、エレガンスと とらえたい。

「社交界の王」としての輝きは、失ったが、晩年のボニは、幸せそうに写真に納まっている。形の良い卵型の頭蓋骨をもった 「エンジェル フェイス(天使のような顔)」と呼ばれた青年は、幾分ふっくらとしているけれど 変らない 「ボニのエレガンス」を持ち続けている。  

ちなみに、1920年に 彼が著した本のタイトルは 「ART of being Poor」だった。












copyright Ryuichi Hanakawa 2005
[PR]
by rikughi | 2005-03-27 01:10 | ボニ・カステラーネ侯爵 4.


<< 「UNNOTICE」と「VIS... 「エスプリ」と「ユーモア」 そ... >>