カテゴリ:ボニ・カステラーネ侯爵 1.( 1 )

ダンデイ というスタイル -ボニ・カステラーネ伯爵 1




d0004856_1262215.jpg7月のパリ。

ミラノからシャルルドゴールに、深夜、着いた私は、出迎えの車でチュルリー公園近くのホテルに向かってシャンゼリゼを走っていた。
夏のパリの夜をドライブするのは、好みのひとつだ。 
できれば、こんなジイサンくさい車ではなく、夜風をヒリヒリ感じることができるオープンが好ましい。

もう、30年近く前、友達が当時パリでは珍しかったえび茶のフォードムスタングをもっていて、二人で夜の街を徘徊していた。ただ、それだけで、今日一日がウキウキしたものになった。

パリの街とムスタング。 

赤いフェラーリより かえって趣味が良いと思うのだけど。

いまの歳ならば、ピカピカ光った鯨のような古い型のキャデラックか。


パリは美しいけれど、街も、人も、社会も 思っている以上に保守的で古臭いので、
いかにもヨーロッパ的なもので 統一するより、アメリカ的なもの、或いはエスニックな風味という、少し「異国を感じさせる」コーデイネイトのほうが よりシックに映ると思う。


このことは、パリジャン、パリジェンヌも よくわかっていて、30年代のジョセフィン・ベーカーやジャズブームから、近年のワールドミュージックまで、パリほど異国の血に 包容力のある街は珍しい。

ベルエポックのパリでは、音楽や風俗だけならいざしらず、 花嫁までも メイド イン アメリカがもてはやされた 時期があった。

それは、好み だけではなく、彼女達がもっていた 富裕な財産が その大きな理由だった。


d0004856_2191644.jpgボニ・カステラーネ伯爵(のちに侯爵)。彼も、また 富裕なアメリカ女性を娶った一人だった。

1867年,フランスでも有数の名家に生まれたボニは、青い目にブロンドの痩躯、洗練されたマナーと 溌剌として優雅な立ち居振る舞いで いやがうえでも 人を魅了した。

或る日のボニについて、こんな記述がある、

 「突然、広場に見事な手綱さばきで馬車が乗り込んできた。 馬車には、紳士と麗しき貴婦人の二人。 紳士のいでたちが目をひいた。素晴らしい仕立ての純白のモーニングコートを着て、ラペルには真紅のカーネーションをさし、これも燃え立つような赤のシルクのタイをフォア イン ハンドで結び、純白の フェルト製のトップハットを被っていた。 彼の スラリと伸びた手は 白のデイアスキンの 見事な手袋でおおわれ、象牙のステッキを握りしめていた。」

ボニの伊達振りが 目に浮かぶようだ。
フランスでも最古の貴族の ひとつといわれる血統と、このダンデイ振りで ボニはベルエポックのパリ社交界の寵児となる。





copyright Ryuich Hanakawa 2005
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by rikughi | 2005-03-21 01:27 | ボニ・カステラーネ侯爵 1.